はじめに
大切なご家族が「うつ病」という診断を受けて、ご家族は戸惑うでしょう。
耳にはするけど、実際どんな病気?どれくらいで治るの?薬は?治療法は?と、一度に色々なことが頭を回っているはず。
私もそうでした。
そこで、この記事では家族が「うつ病」になったら知っておきたいことを簡単にまとめてみました。
病気を理解しましょう
うつ病は「心の風邪」とも言われ、誰もが罹る可能性がある病気です。
心の風邪というと、すぐに治りそうな感じですが、実際は「心の複雑骨折」です。
複雑骨折してしまったら、すぐに病院に行き適切な医師の治療を受けますよね?
うつ病も、放置しておいても回復しません。適切な医師の治療が必要な「病気」です。
昔から心の病気に対する偏見や間違った理解がありますが、決して本人が「怠けている・心が弱い」からなどではありません。
一日中寝てばかりだったり、夕方になると活発になったりと、はたから見るとただ怠けているだけなんじゃないかと思ってしまう症状も、理解がしにくい原因ではありますが、患者の行動や症状をよく観察するとともに、見守る姿勢も大切になってきます。
解らないことなどあれば、担当の医師に何でも聞いてみましょう。
うつ病のメカニズム
脳は神経細胞の情報伝達によって、心の機能や体の機能の細胞に伝えていく働きを持っています。
脳には様々な神経伝達物質がありますが、その中でも、うつ病には
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンという3種類が重要視されています。
これらの神経伝達物質がバランスよく働くことにより、脳の機能は健全に保たれるのですが、
うつ病では過剰なストレスや過労などが引き金となって、これらの物質が減少し、バランスが崩れ、喜怒哀楽のコントロールができなくなってしまうと考えられています。
そのような状態になってしまったのがうつ病です。
本人を理解しましょう
病気を理解するとともに、大切なのが患者さん本人を理解することです。
心の病気は、心と身体そして性格に関わっています。
病気や症状だけに目を向けていると、患者さん本人の考えや、性格を忘れがちになります。
そうなると、患者さんとの心の距離ができてしまいます。
一日でも早く良くなってほしいとの思いから、病気を治すことだけに集中してしまうと患者さんの心と距離ができてしまし、逆に回復が遅れる場合もあります。
難しいですが、心に寄り添い、日常生活は優しく見守ることが大切です。

うつ病の治療法は?
うつ病の治療には「休養」、「薬物療法」、「精神療法・カウンセリング」があります。
① 休養
過剰なストレスや過労を防ぐ環境を整備する。
② 薬物療法
脳の機能的不調を改善し、症状を軽減するために薬物療法を行う。
③ 精神療法・カウンセリング
ご自身の思考パターン・行動パターンを見直す。
精神療法・カウンセリングの中には「認知行動療法」をはじめ様々な治療法がありますが、共通している点はご自身の中に持つ「生きる力」を見出す点です。
うつ病が治っていく過程にはある程度の期間が必要になります。 治っていく経過も、良くなったり、悪くなったりという事を繰り返しながら徐々に改善していきます。
治療の期間は「急性期」、「回復期」、「再発予防期」と大きく3つの期間に分かれています。
急性期に一番重要なのが休養、回復期は薬物療法、再発予防期は精神療法・カウンセリングです。
3つの期間がそれぞれどれくらいの時間を要するかは、患者さんの状態や症状で一概には言えませんが、急性期が1か月~3か月、回復期が4か月~6か月、再発予防期が1年~、というのが大まかな目安となります。
もちろん軽症で早期に治療を開始した場合には、より早く再発予防期に移行することが可能となります。
うつ病の薬は?
一部で、薬は良くないなどの話を聞きますが、そんなことはありません。
適切な薬の服用は治療をするうえで必要です。病気になって薬を医師から処方されて「薬は良くないから飲まない」とはほとんどの方はなりませんよね?
それが心の病気になるとそういう意見がでるのは、やはり偏見もあると思います。
どんな薬でも副作用などは有ると思います。
うつ病には、「抗うつ薬」という種類の薬が有効であると考えられています。
もともと自分が持っているセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が有効に機能するようサポートするのが、抗うつ剤の役割です。
抗うつ薬は即効性のある薬ではないので、効果が出てくるまでに少し時間がかかります。
すぐに効果が現れないからと服薬を中断してしまう方もいるようですが、主治医の指示に沿って一定期間継続することが大切です。
副作用として、眠気・胃腸症状などを自覚することがあります。服薬を開始して1週間ほどで感じやすく、徐々に軽減することがほとんどです。
もし、副作用がつらい時には専門医に相談してください。
睡眠導入剤や抗不安薬(精神安定剤)なども併用されることは珍しくありません。これらの薬物は抗うつ薬と違って即効性がありますので、服用後から効果が現れます。
「回復期」の途中で自分は元気になったと感じ、自己判断で薬を止めてしまう方が珍しくありません。その結果せっかく寛解まで来たのに再発してしまうことがあります。
薬を減らしていくタイミングは主治医の先生によく相談することが大切です。

なるべくいつも通りの生活で
家族がうつ病になると、どうしても患者さん中心の生活になりがちです。
患者さんに気を遣いすぎて、生活リズムも家族の雰囲気もガラッと変わってしまう家庭も少なくありません。
しかし、そうなってしまうと患者さんもご家族にとってもよくありません。
患者さんにとって治療に専念しやすい環境は大事です。しかし気を遣いすぎると、家族の方もストレスが溜まってきて、患者さんにも雰囲気が伝わり、「自分のせいで」とまた自分を責めてしまい、悪循環になってしまいます。
患者さんは治療に専念する毎日を送り、ご家族はなるべくいつも通りの生活で患者さんを支えることが大切です。
周囲への理解を求めましょう
家族がうつ病になったことを隠したがる方もいらっしゃいます。
やはり、うつ病など心の病気に昔からの偏見があるのも事実で、周囲に知られたくないと考えるのです。
患者さん本人も同じように周囲には知られたくないと思う人も少なくありません。
しかし、うつ病という病気をしっかりと理解したうえで、患者さんとご家族は周囲への理解も求めた方が良いでしょう。
治療が長期的になれば、本人も含め家族の負担も増えてきます。そんな時、周囲からの支援があるのとないのでは、大きく違ってきます。
偏見や間違った考えをもっている方もいますが、身近な親戚などにはしっかりと理解していただき、必要な時は支援をしてもらうような体制を作っておくとよいでしょう。

原因はとりあえず後回し
家族がうつ病になってしまったら、「なにが原因」かも考えますよね。
たしかに病気の原因は誰でも知りたいことですし、知っておかなければいけません。
しかし、うつ病と診断され、治療を始めたばかりの頃は原因探しはしないほうがいいでしょう。
原因が分かれば何か変わるかも。と思いがちですが、まずは患者さんには休養が必要です。
ゆっくりと休養させ、薬の作用などを見守りましょう。
急いで原因探しをして、余計にストレスがかかることが多くあります。とりあえず後回しにして、今の治療に専念しましょう。
担当の医師からなにかそういう話があれば、その時に対応すればいいでしょう。
家族が疲れないように心がけましょう
患者さんの治療・回復も当然大切ですが、家族のメンタルも大切です。
患者さんと多くの時間を過ごす家族は心身ともに疲れが溜まりやすくなります。
支える家族が疲れ果て、調子を崩してしまったらどうしようもありません。
心にゆとりがある時と無い時では、やはり患者さんに対する感情が違ってきます
適度に、自分の時間を作り、ストレスを発散させることを心掛けましょう。
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まとめ
いかがでしたか?
大切なご家族が「うつ病」になってしまったら、本人もお辛いでしょうが家族もまた同じ気持ちですよね。
うつ病は、正しい理解と適切な治療・ご家族の支えが必要になってきますが、ご家族が悩みを抱え込んでしまうと患者さんどころか、家族まで体調を崩してしまいます。
長い目で、焦らず家族全員が無理のないような、治療生活を送ることが大切です。
患者さん、ご家族の明るい未来を心より願っております。
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