はじめに
常にストレスにさらされる現代社会。
うつ病は誰もがかかる可能性がある身近な病気です。
あなたの家族や友人などがうつ病になってしまったら、
どう接すればよいのか?
一般的に思いつくことや情報といえば、
「励ましてはいけない」
「気分転換などに無理に誘わない」
「十分休ませる」
などでしょう。
しかし、実際うつ病の方と接すると多くの疑問や悩みが出てきて
結局どう接すればよいのかわからない。
と考えてしまうことが多いものです。
今回は、患者・家族両方の立場を経験したことのある私が自分の経験を踏まえ、患者と周囲の方双方にとって楽な接し方・考え方などをご紹介させていただきます。

マニュアルどおりにはいかない
うつ病の人への接し方として色々な情報がありますが、
その情報をマニュアルとして接しても、上手くいかない場合が多いです。
私たちの生活はマニュアル通りにいかないことがほとんどです。
それはうつ病だって同じことです。
うつ病の程度、環境、性格など患者さんによっても様々です。
うつ病と接するのではなく、患者さん自身と接する気持ちが何より大切です。

お互いのズレが出るのは当然
病気でもなく普通に毎日を過ごしていても、家族や友人と意見や考えの違いが出ることってありますよね。
うつ病に限ってのことではありません。
治療に支障をきたすほどのズレは問題ですが、
ある程度は仕方のないことです。
他の記事でも書いていますが、うつ病患者に接することについて周囲に求めるものが多い気がします。
家族や友人も色々と考えすぎて、ぎこちなく接してしまい
患者さんに違和感を感じられ、余計にギクシャクしてしまう例もあります。
「周囲もどうしたらいいかわからなくなることも含めてうつ病」です。
あまり深く考え過ぎず、普段通りに接することでお互い無理に気を遣わなくて済みますよ。

「ほっとく」ことも大事
中途半端に慣れない接し方をしてしまい、お互い具合が悪くなるならば、
むしろある程度、患者さんを「ほっとく」こともお互いにとって大事です。
患者さんから何か求められたり話を切り出されたら、自分ができる範囲で応じるようにしましょう。
患者さんが頼んでいないのに、良かれと思って何かしたり、アドバイスしたりすることのほうが、患者さんにとってはストレスです。
患者さんにストレスがかかり調子を崩すと、周囲の方も
「良かれと思ってしたのに。残念。」という気持ちと雰囲気が出てしまいます。
それを感じて患者さんが「期待に応えられなかった」と自分を責めてしまい悪循環になります。
基本的に受け身に徹してみましょう。

○○するべき的な考えをなくそう
私たちは日々の暮らしの中で無意識に「こうあるべき」と思い込み生活しています。
この無意識に人々がもつ「するべき的」な考えがうつ病にはとてもよくありません。
うつ病になる方は「何々するべき」という責任感が強すぎて調子を崩す人も多いです。
周囲の方から「元気であるべき」「社会復帰するべき」そういう雰囲気を出されると、「べきなのにできない」と苦しみます。
ゆっくり治せばいいんじゃない?
今までが頑張りすぎたんだよ。
など、ゆるい考えで接しましょう。
これは支える側にとっても大切な考え方です。
支えようとすると、患者さんのために「するべき」「しなくては」的な考えに陥りやすくなります。
そうなると支える側の心身にも影響が出てきます。
何事もゆるく考えましょう。
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期待しない
患者さんに早く治ってほしいと思うのは当然ですが、その期待は患者さんにとって非常にストレスです。
うつ病はすぐには良くなりませんし、浮き沈みを繰り返しながら徐々に回復に向かいます。
風邪のように薬飲んで休んだらよくなった。というような単純な話ではありません。
また、調子が悪い患者さんに「どこがどう調子が悪いのか?」と具体的に聞くことはやめましょう。
調子が悪いときは説明することも辛いのです。
調子が悪いんだなと思うだけにして、そっと見守り、患者さんが相談してきたら心から対応するようにしましょう。
うつ病が徐々に回復していくと、周囲も期待してしまいます。
逆に、回復していたのに調子が悪くなってしまうと、周囲もガッカリしてしまいます。
患者さんはそれを敏感に感じ取ります。
うつ病になる方の多くは周囲の方への気遣いができ、繊細でまじめな方です。
ですから、周囲の変化も敏感に感じ取ります。
「自分が回復しているのを喜んでくれている。このまま順調に回復しなくては。」
「自分が落ち込んでるのを見てガッカリしている。落ち込むところを見せてはいけない。」
と、周囲の方へ気を遣いさらにストレスとなり、調子が悪いことを隠してしまいます。
- うつ病には波がある。
- すぐには治らない。
- 調子が悪いのは当たり前。
- 期待しない。
- いつか治る。
そう思って接することで
患者さんにとって過ごしやすい環境になります。

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信頼関係が一番
最低限うつ病という病気を理解して、その人といつも通り向き合うことが一番大事なことです。
うわべだけの中途半端な接し方よりも、信頼関係があるうえでの適度な距離の方がお互い気持ちよく日々の生活を送ることができますし、余計な気を遣わないことで患者さんが悩みを相談しやすくなります。
そっとしておいてくれることで、自分から話しやすくなったということもよく聞きます。
病気を理解せず、うわべでの気遣いが一番お互いを消耗させます。
お互いの信頼関係を最も重視しましょう。
「お医者さんの快夢まくら」
まとめ
元気だった人が、うつ病になりどう接していいかわからない。
私も当時は本当に悩んだ記憶があります。
確かに、うつ病になると本来の自分の考えとはかけ離れた考え方をしてしまい、周囲の方もその変化に戸惑います。
大切なことは、うつ病という病気を理解し、信頼関係をもとに自然体で接するということ。
過剰に意識する必要はないんですよね。
周囲の方が「長い目で見る」ことで、患者さんも安心して治療生活を送りやすくなります。
患者さん、周囲の方に明るい未来が訪れることを心より願っております。

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